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Posted by ミリタリーブログ  at 

2012年02月03日

ラファール③

引き続きラファールです。今回はエンジンとアヴィオニクス関連。
その前に先日の記事にて誤りがあったので訂正です(誰も見て無いって?
FSOではなく最近はSFOらしいので訂正致します。





M88-2
ラファールのエンジンはSNECMA(スネクマ)社の開発したターボファンエンジンのM88で、現在はM88-2が搭載されているがF4以降は燃費と出力を向上させた-4E型の搭載が予定されている。(F4以前の機体も順次交換、既に20%の機体がこのエンジンに変更されている。)このエンジンは小型ながら推力50kN(リヒート使用時75kN)とサイズのわりに高出力である。この2軸式ターボファンエンジンは、大変反応速度が優れていてアイドル状態から最大出力まで3秒掛からずに到達する。整備性も考え抜かれていて、エンジンが21個のモジュールが分かれており、キャリブレーション無しで交換ができる。その一部については機体に搭載したままでも交換ができるようになっている。エンジン自体の交換も1時間以内に行なう事ができる。整備後のエンジンはベンチテストをせずに使用が可能である






RBE2-AA
搭載されているレーダーはヨーロッパ発のフェイズドアレイレーダーのRBE2で、パッシブ式だが性能は良好である。TWSモードでは最多で40の目標を追尾、そのうち8つと同時交戦が可能である。対地モードは合成開口マッピングの機能を備えているため低空からの進行に有効である。現在はアクティブ式のRBE2-AAの開発が進められており、その試験型が試験機に搭載されテストを行なっている。詳しい数字は公表されていないが、現用のものに比べて50%以上捜索距離が伸びるとの事。

フライトコントロールシステムは4重(デジタル3、バックアップにアナログ1)のデジタルフライコントロールに完全に統合されており、複雑なルールで制御されている。このDFCSは各チャンネルは独立したシグナルによって制御されるが、どの様な状況下においても各チャンネル間で誤解が生まれない事を第一義に設計されている。ミラージュ2000からであるが、機械式のバックアップを持たないフライ・バイ・ワイヤー機で100万時間の飛行時間を達成しており、その間FCSの不具合による事故は1件も起きていない。このFCSで制御されたカナードはユーロファイターやグリペンとは異なる動き方をしている。このカナードは重心位置移動によるトリムの調整や主翼上面のストリーム制御に使われるが、低空侵攻時のガストの処理やエレボンの差動と併せてエアブレーキとしても使われている。カナードの動きとしては、離陸時はカナード後端を下げピッチアップさせ、離陸後速度が一定以上に到達すると素早く後端を上向きにし、主翼に過流を当て揚力を発生させる。中高速時は、ピッチ制御には用いず、常に速度に合わせて過流を主翼に効率良く当て、最大の旋回能力を発揮できるようにしている。この先進のDFCSとM88エンジンの組み合わせにより、ラファールは9.5tの最大兵器搭載量を誇り、遥か大型のF-15Eに次ぐ物となる。(タイフーンもスーパーホーネットも7.5t)
ちなみに高度15000ft、機内燃料60%での維持旋回率は30°/secでこの数値を超える機体はF-22とMig-29だけである。





まだ続くよ。  


Posted by G3フリーク  at 21:30Comments(0)戦闘機